【夏休み特集】お米と卵と骨の実験 ~口の中に刺さったのは何?~ | 東レテクノ株式会社
【夏休み特集】お米と卵と骨の実験 ~口の中に刺さったのは何?~

【夏休み特集】お米と卵と骨の実験 ~口の中に刺さったのは何?~

2026.07.13
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ある日、朝ごはんを食べていると、口の中に小さくてかたいものが刺さってしまいました。

大きさは2〜3mmほどで、白くてとてもかたいものでした。

痛みはそれほど強くはありませんでしたが、「いったい何が刺さったのだろう」と疑問に思いました。

そこで今回、朝食に含まれていた食品の中から原因になりそうなものを選び、実験で確かめてみることにしました。

実験目的

朝食中に口の中に刺さった異物について、食品の性質を比較することで、その正体を推定することを目的としました。

予想

まず、当日の食事内容を整理しました。

  • ごはん(鮭フレーク)
  • 納豆
  • 卵焼き
  • ほうれん草のスープ

この中から、口の中に刺さる可能性がある食品を考えました。

その結果、次のいずれかではないかと予想しました。

  • 乾燥して硬くなったご飯粒
  • 卵の殻
  • 鮭の骨

実験材料

  • 乾燥したご飯粒
  • 卵の殻
  • 魚の骨
  • うがい薬(ヨウ素を含むもの)
  • メロンソーダ
  • プラスチックのコップ

実験方法

まず、各食品と回収した異物の見た目や手ざわりを観察しました。

その後、それぞれの特徴的な反応を利用して比較実験を行いました。

  • ご飯粒
    → うがい薬をかけ、ヨウ素反応(紫色になるか)を確認しました。
  • 卵の殻
    → 酢につけ、泡の発生や溶ける様子を観察しました。
  • 魚の骨
    → メロンソーダ(酸)につけ、時間による変化を確認しました。

最後に、これらの結果を比較し、異物の特徴と照らし合わせました。

実験結果

見た目の比較(観察結果)

  • ご飯粒:白くて丸みがあり、ややもろい
  • 卵の殻:白くて少しざらざらしており、割れやすい
  • 魚の骨:細くて固く、先がとがっている
  • 異物 :白くて固く、先がとがっている

→ 異物は「とがっている」という特徴があり、ご飯粒や卵の殻とは少し違って見えました。
→ 魚の骨と見た目が似ていると感じました。

ご飯粒の結果

  • ご飯粒はうがい薬をかけると濃い紫色になりました
  • 異物は少し茶色くなりましたが、紫色にはなりませんでした

→ 異物はご飯粒ではないと考えられます。

卵の殻の結果

【入れた直後】

  • 卵の殻からは泡がでてきました
  • 異物には変化が見られませんでした

【1日後】

  • 卵の殻は溶けて薄い膜だけになりました
  • 異物は少しやわらかくなりましたが、溶けませんでした

→ 異物は卵の殻ではないと考えられます。

魚の骨の結果

【1日後】

  • 魚の骨と異物はどちらも少しやわらかくなりました
  • 大きさの変化は見られませんでした
  • どちらも緑色に変化し、洗っても色は落ちませんでした

→ 異物は魚の骨とよく似た変化を示しました。

考察

本研究では、各食品のもつ化学的な性質の違いを利用して、異物の正体を検討しました。

まず、ご飯粒については「ヨウ素デンプン反応」を利用しました。

デンプンはヨウ素と反応すると、青紫色(濃い紫色)に変化する性質があります。
これは、デンプン中のアミロースがヨウ素と結合し、特有の構造(らせん構造)を作るためです。

ご飯粒はこの反応により明確に紫色になりましたが、異物は同様の変化を示しませんでした。
このことから、異物にはデンプンが含まれておらず、ご飯粒ではないと判断できます。

次に、卵の殻との比較では、酢(酢酸)との反応を利用しました。

卵の殻の主成分は炭酸カルシウム(CaCO₃)であり、酸と反応すると気体(二酸化炭素)が発生して溶解します。

その反応は次の式で表されます。

CaCO₃ (炭酸カルシウム)+ 2CH₃COOH(酢酸)
→ Ca(CH₃COO)₂ (酢酸カルシウム)+ H₂O(水)+ CO₂(二酸化炭素)

実験でも、卵の殻はすぐに泡(CO₂)を発生し、時間とともに溶解しました。

一方で異物は、わずかにやわらかくなる変化は見られたものの、気泡の発生や完全な溶解は確認できませんでした。

このことから、異物は炭酸カルシウム主体の物質(=卵の殻)とは異なる性質をもつと考えられます。

最後に、魚の骨との比較では、酸性の炭酸飲料による変化を観察しました。

魚の骨は主にリン酸カルシウム(Ca₃(PO₄)₂)やコラーゲンなどで構成されており、酸性条件下では徐々にカルシウム成分が溶け出し、構造が弱くなってやわらかくなります。

実験では、魚の骨と異物の両方が同様にやわらかくなり、さらに炭酸飲料の色素による着色も見られました。
このような変化は、内部構造や成分が類似していることを示しています。

以上の結果を総合すると、

  • デンプン反応を示さない → 米ではない
  • 炭酸カルシウムの明確な溶解を示さない → 卵殻ではない
  • 酸によって徐々に軟化する → 魚の骨と一致

という特徴が確認できました。

これらの反応と性質の一致から、異物は魚の骨である可能性が高いと考えられます。

まとめ

本研究では、ヨウ素デンプン反応、酢との反応、酸性条件での変化という3つの性質に注目して、異物の正体を調べました。

その結果、異物はヨウ素デンプン反応を示さなかったことから、お米ではないと考えられます。また、酢に入れても気泡が発生せず、溶ける様子も見られなかったため、卵の殻でもないとわかりました。一方で、酸性の条件では魚の骨と同じように、少しずつやわらかくなり、色が変わる様子が確認できました。

これらの観察結果をまとめると、この異物は魚の骨に似た性質をもっており、鮭フレークに混入した魚の骨である可能性が高いと考えられます。